クライアントインタビュー

学生の積極的な姿勢が、自分の世界の窓を開く

今回、インタビューにお応えいただいたのは、現在、香港在住のギブス仁子さんです。長銀からマッキンゼー、資生堂、オラクルなどを経て、現在は香港にてコーチング業をされています。

クライアントインタビュー

今回、発注していただいた案件についてお聞かせください。

ヨーロッパのコーチング会社で、キャリア女性のコーチングに専門化した会社があり、そことタイアップしたプロジェクトのために日本における女性の活用促進の取り組みについて、短期間に把握するのが今回の案件の主眼でした。

私自身も人に紹介されるときは「この人はグラスシーリング(弊社注:女性ということで能力があっても企業で昇進しにくかったりすることがある)と戦った人」と言われることもあるのですが、日本を離れて7年近くになり、世代も違いますし、主観的な経験と外から見た時とでは見方も違うので客観的なデータで何が起こっているのかというのを短期間に調べる必要がありました。私自身が考えながら走っているところがあったので、タイムリーに短期間に何が起こっているのかということの勘所が知ることが大きな目的でした。

ところで、ジョブユニを知ったきっかけは?

マッキンゼー卒業生のメーリングリストで、諏訪さん(ナインシグマ・ジャパン代表)がジョブユニをやりますと書いてあったのを見て知りました。学生さんにインターンで色んなお仕事していただけるというのは、以前に勤めていた会社でも、比較的親しみがありました。

ニューヨークにいたときにも、アメリカのベンチャー企業だったので予算に制限がある中で何かをしようとする時、例えばビデオ制作等、 学生さんで優秀な人を活用するというのはしごく当たり前で、なじみはすごくありました。また、学生さんたちは調査のようなものにかけては、優秀だと思ったのでお願いしてみることにしました。

逆に学生ということで仕事を頼む上で不安はありましたか?

クオリティがどの程度で出てくるかが分からないというのは、もちろんありますよね。今回は最初のコミュニケーションから「出来る人だ」と言うのが分かる感じでした。 自分も部下を使っているので、日頃のコミュニケーションのレスポンスの良さというのは何となく感覚で分かります。

例えば初回に送っていただいた、「最初にいくつかアウトプットを送ってみますので、それを見て頂いてフィードバックを」という提案の仕方も非常に積極的で、こういう学生が部下だったら素晴らしいし、安心だと感じました。ボールを空に投げて飛んでいって見えないというのではなくて、ちゃんと受け止めて返ってくるのが分かるところが良かったです。

また、今回のリサーチでは、途中で調査項目を変えたことがありました。普通に部下を使うときは、ここまで調べて、ちょっと変更しようかなと思ったら「変えて」と言いますよね。そのコミュニケーションを比較的、レスポンスよくやっていただいたのが一番ありがたかったです。外注として一回エクセルのフォーマットで「ここを埋めてください」と依頼としてきちんと出したものではあるのですが、ある程度調べた結果ここを掘るよりも違う所を掘った方が良いという結論になり変更をお願いしました。 事前のコントラクトがきちんとしている分、自分の部下や自分を使うときとちょっと違うなと思いつつも、迅速かつ柔軟に対応していただいたことがありがたかったですね。

今回、ジョブユニを使ってみた経験を踏まえて、今後こういった形で活用してみたいというのはありますか?

私の場合は職業柄、他社事例を調べる場合が多いのでマーケットや他社について調べて下さいということをお願いすることが多いと思います。そのニーズは若いアントレプレナー的な企業に多いのではないかと思いますので、ジョブユニに興味を持つ企業はすごく多いと思います。ただ、興味を持っている企業の方が学生さんの能力を分かって使いこなせるように枠を作るというのが、チャレンジなんだろうなとは思います。例えば、こういうふうにエクセルのフォーマットに落として下さいっていうのもそうですよね。経験の浅いマネージャーや外注を使ったことのない人だと、アウトプットの期待値の設定が意外に難しいものだと思います。そこをわかりやすくつなぐことができればすごく価値があるような気がしました。

学生に期待するところは?

セルフリーダーシップです。企業との仕事は、世界の窓を開くきっかけです。その仕事を受け身でこなすだけではなくて、そこからどういう風に自分の世界を発展させていくかとか、どんな付加価値を生み出すのかということを自分がリーダーシップを取って考えるとすごく面白いのではないかと思います。クライアントさんの中には「言われたことだけやってくれれば良いんだよ」という人もいるかもしれないですが、やはり自分の世界の窓を開けると思ってやってほしいですね。積極的にコミュニケーションしていただけると、こんなこともやってくれるのかなという広がりにつながって行くと思います。

今回お願いした学生でいうと、例えば、最後に一言「女性の活用促進のためには大学を選ぶ前の高校までの教育が関わってくるかもしれないと思いました。というのは大学に進む段階で女性はある程度仕事との関わり方を決めているように思うからです」と、一言書いて下さいまして、それはそうだと思いました。学生の目線でアウトプットをいただけるのが、新鮮でした。学生だから思考の範囲が限られているというよりは、学生ならではの視点でアウトプットをいただけると嬉しいです。インタラクションをしていくことで、何か学生さんにも面白い発見があるかもしれないし、こっちにも発見があるかもしれないという形でやるといいかなと思います。

ギブス仁子さん

大学卒業後、日本長期信用銀行(現、新生銀行)に入行。デリバティブの商品設計やM&Aに関する業務に従事。その後、資生堂、マッキンゼー、オラクルを経て、2007年より香港に移住し、現在は、エグゼクティブコーチング並びにリーダーシップトレーニング、海外駐在員向けのコーチングやキャリア女性向けのコーチングなどのビジネスを展開。

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